尾道水道プロジェクト
尾道市の離島「百島」のART BASE 百島を拠点に、尾道水道および備後海域のまちづくりに関連したプロジェクト
プロジェクト概要
中世の開港以来、港町として栄えた尾道は、尾道水道と尾道三山の間の限られた坂の空間に寺社や家々、豪商たちの粋の極みである茶園建築など、箱庭的景観が日本遺産に認定されています。しかし現在は多くの空き家の廃墟化が目立ちます。尾道駅前のポートターミナルから尾道水道を渡船で往く離島の百島に至ってはなおさらです。
本プロジェクトは、尾道の茶園建築の再生から百島までの尾道水道およびその海域のまちづくりにアーティステックに寄与することを目的としています。
尾道港のアートディレクション
県営上屋3号倉庫
2015年3月公開
昭和18年建造の建築史的にも価値のある県営上屋3号(港湾倉庫)をオルタナティヴ・アート・ギャラリーとして再活用し、尾道水道沿いの賑わいの創出と、尾道ポートターミナルを拠点とした海路によるアート・ツーリズム・ネットワークの構築を提案しています。港湾倉庫のダイナミックな空間を活かした他のエリアにはない魅力ある施設として、文化・芸術の活動発信拠点を目指した構想です。
アート・ディレクション:柳幸典
バナーデザイン:大溝裕/Glanz
会場構成:樫原徹/樫原徹建築設計事務所
フェリー/ヘリポートのデザイン
尾道水道について
尾道水道は、瀬戸内海に面した港町の尾道と対岸の向島に挟まれた幅300mほどの海峡で、利便性の高い交通路として重宝され、中世には人・ものが集積する「海の川」として発展。尾道側の山の斜面地には豪商により寄進営造された寺社仏閣と家々が建ち並び、ひしめく民家を路地や坂道が繋ぐ特有の景観が広がっている。こうした斜面地から響く寺の鐘、対岸の向島と結ぶ渡船や造船所の作業音が反響する箱庭的都市空間は、2015年度から日本遺産に認定されている。

