Gallery Cafe ULTRA 遊休施設を活用した現代アートのカフェギャラリー
広島県尾道市の商店街にあった遊休施設を、国内外の現代美術作品が鑑賞できるギャラリーカフェとしてリノベーションしたプロジェクト
Gallery ULTRAとは
聖徳太子が開基とされる尾道随一の古刹で国宝建築のある浄土寺に至る商店街の中程に、長年遊休施設となっていた立体駐車場ビルを再利用して、現代美術のコレクターが収集した作品を見せるギャラリーカフェとしてリノベーションした。
改修はすべての装飾を剥ぎ落とす引き算から始めて、アートの展示空間として成り立たせるための最小限の手を加える空間づくりを目指した。広い空間では音楽イベントなども開催され、尾道の文化発信拠点の一つとなっている。
柳幸典
プロジェクト背景
尾道市の離島「百島」のART BASE MOMOSHIMA を拠点に、日本遺産の尾道から百島までの間のまちづくりに関連したプロジェクト
中世の開港以来、人と、モノと、財が集まる港町として栄えた尾道。尾道水道と尾道三山の間の限られた空間に、寺社や家々がひしめき、坂道と路地でつながる景色が「箱庭」にたとえられてきました。( 尾道市HPより http://nihonisan-onomichi.jp/ )
建築設計:YANAGI + ART BASE
ディレクター/アーティスト : 柳幸典
アーキテクト:樫原徹・竹澤洸人/樫原徹建築設計事務所
マネジメント:YANAGI STUDIO
尾道商店街について
中世より交通の要衝であった尾道は、港都として繫栄し、戦災に見舞われることなく古き良き街並みを残している。現在も創業 100 年を超える老舗や歴史文化財の建築物が残る尾道本通り商店街は日々多くの観光客が訪れ、芙美子通り、土堂中商店街、本町センター街、絵のまち通り、尾道通りの 5 つの商店街で構成されている。全長約1.2km と日本有数の長さを誇る商店街の中でも絵のまち通りは距離が長く店舗数も多いため、店や道、人のいる風景が絵になる商店街として親しまれていることから名付けられた。
Gallery Cafe ULTRAの前身は、この絵のまち通りで1993年に開館した立体駐車場を併設するコミュニティー施設「絵のまち館」で、商店街立て直しの核として建設され運営されるも2013年に閉館。20年で幕を閉じ、立体駐車場部分は取り壊されていた。